A Partner
これが、私の相棒。
よく見ると傷が多い。
しかも、壊れやすい。
この間は、前のカバーが知らぬ間に全開していた。
防水などの機能が発生する以前に生まれた時計だから、
水仕事もだめだし、雨の日には外にして出てはいけない。
私もいい加減、他のものに鞍替えしたいと思い、いろいろと探しているのだが、
どうしても身体にフィットするものに出会わない。
そして、この甘いカーブに宿るツヤを見るたび、やはりこれを身につけたいと、強く思う。
骨董屋からは、あまり毎日身につけると、寿命がきてしまう、と忠告された。
どうにも動かなくなるまでに、他のものに出会えるといいのだが、
こればかりはご縁で、仕方がないようにも思える。
今日も、相棒に耳を近づけるとカチカチとまじめな音が聴こえ、私は安堵する。
生きていてくれて、ありがとう。
使用カメラ;K100D