あなたの部屋に滲みこむ空色

IMGP0956.JPG

by using PENTAX K100D, Carl Zeiss Jena Pancolar

まるで長い夏に迷い込んでしまったようだ。

窓の向こうには、濃い青色をした空が広がっている。
暑くなるので、夏になってからはレースのカーテンを閉めたきりだ。
なのに、昼前にはどうしても青色が滲みこんできてしまう。

外は、青色の洪水だろうか。

もし、そうなら…

ところで、私の祖父が亡くなる直前に、ある場所の夢を見ていたそうだ。
どうしてそんな状態の人間の夢のことなどを、私が知っているかというと、
夢うつつとなった祖父が、ベッドで寝言を言い続けていたのを聞いていたのだ。

そこは、

『 美しい、何もかもが青い 』

場所だと、祖父は言っていた。

実は、私もそこへ行ったことがある。
死にかけていたわけではない。
平凡な夢の中で、そこへ行ったのだ。

なぜ同じ場だと断言できるかというと、
私も、その大変な美しさに、尋常でない興奮状態に陥ったからなのだ。
人は感激が大きいほど、それをシンプルな言葉でしか表現できなくなる。

美しい の一言に、すべてが閉じ込められていると思うのだ。

『 美しい、何もかもが青い世界 』

いつか、ここで書いたことがあるが、
青色は、胎児が最初に感じる色だといわれている。
そして、自然界から人間が抽出できる青色原料は、希少価値であり、
太古の人類の、憧れの色であったことを、もう一度書いておこうと思う。

 
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One Reply to “あなたの部屋に滲みこむ空色”

  1. lobby

    以前、スキューバーダイビングをやっていたことがあります。
    海底30mくらいまでは潜ったことがあります。
    そこは、ただただ濃い青い世界でした。
    到達する光が少なくなっても、最後まで認識できる色が
    青色だとういうことを聞いたことがあります。
    青色は、胎児が最初に感じる色だといわれている
    というのは初めて知りました。
    よくスキューバーで潜っているときに感じる心地よさを
    母体の中のよう・・・と表現する人が多いようです。
    それは、海の中独特の浮遊感覚からのみ
    そう感じるのかと思っていましたが、もしかしたら
    青という色にも一つの理由があるのかもしれないと考えてしまいました。

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