A story

PICT0110.jpg

それは、一種のだらしなさなのだろう。
彼女がつきあう男は、いつも意中の人、の、友達だった。
隣にいる男と仲良くしていればいつか意中の人へも手が届く、
というのが彼女の思考回路だったのだから。

そんな彼女が、珍しく一番好きな人へ好き、と言ったとき、
彼女はすでに30近かった。

30近く。
それは、ちょっと欲が出てくるときだ。
いつもと違うことに対しても、大胆になれるときかもしれない。
勘違いしてはいけない、魔の刻。

子供同士が、あるいは子犬たちが戯れているのは、
ただ楽しいだけでなく、どのくらいやれば相手が嫌がるか、とか、
相手を怪我させない力加減というものを会得しているわけだが、
男女のつきあいにおいても、そういうレッスンが必要なタイプがいる。

一番好きな人へ臆病だった彼女が、
そのレッスンなしに、うまくやれるはずがない。
そして、うまくいかなかった場合に、
30という年齢ならば傷が深く、なかなか癒えなくても仕方がないだろう。

楽な方へ逃げない方がいい。

今まで怠けてきたのなら、
30過ぎてそんな目に合うのも、いいものだ。

 
Previous Article
Next Article

One Reply to “A story”

  1. 未哉

    淡いピンクの花びら1枚1枚の質感まで見事に再現されてて
    とっても素敵な写真ですね。
    DSC517でこんな感じが撮れましたか。
    ううん、素敵。
    私も頑張ってみよう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください