Flower market

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あなたが苦しいほどに完全無欠を装うので、
ぼくは少々疲れてしまっていた。

あなたが完璧であることなど、誰も求めていないよ。
でも、ぼくがそんな風に言ったら、あなたは傷ついてしまうのだろう。
こんなにも傷つきやすいあなたが完璧であろうはずもないのに。

ぼくは、それをあなたに伝えそこなったまま、ある日、あなたとは他人になった。


それから何年か経った今年の夏、偶然、あなたを見かけた。
あなたは僕の知らない人たちと一緒に電車に乗ってきて、ぼくよりも一駅先に降りていった。

ぼくは目を見張った。
あなたはすっかりふくよかになって、そのやわらかな脂肪にうずまるような、小さな子供を抱いていた。
何かの帰りだろうか、すっかり疲れているように見えたが、
どこか力の抜けた、しかし精一杯生きている感じが伝わってくる。

あなたは思いつめたような眼で、子供が眠るまでじっと抱きしめていた。
あの日のあなたとは全然違っていた。

あなたとぼくには、花や指輪や、そんなくすぐったくなるような、甘い匂いのする思い出はない。
だけど、きっとあなたにはそういうことこそが性に合っていたんじゃないかな。
あの頃、完璧主義者のあなたに何を贈ればいいのかと気後れしたものだけど、
花を贈ればよかったと、今更気づく。

あなたが幸せそうで、よかった。


いつもありがとうございます*
雑文、失礼いたしました。
自分としては、詰めの甘い部分もあり、ちょっとどうかな、と思いつつも、書いてしまったので上げておきます。
あとでまた書き直すか、消すかもです。

本当は写真を見せたくてブログやってるんですけどね(笑)
写真も見ていただけると嬉しいです(^^)

 
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