しかくいたてもの と そのなかみ
by using PENTAX K100D, Carl Zeiss Jena Pancolar 50mm
直島、南寺にて。
アートの島に行ったんだから、少しはアートの話を。
といっても、実際の作品はほとんど撮影禁止なため、テキストばかりでおもしろくないですが。
南寺は、最も良かった場所のひとつ。
この建物は安藤忠雄氏による建築だが、その中身が、さらによかった。
いや、この建築だからこそあの中身があの中身たりえたのかもしれない。
その中身とは、ジェームス・タレル氏の 「 Backside of the moon 」 。
私は現代アーティストの名前や作品名をスラスラと覚えているようなタイプではないので、
こんな風にそれを書き込めることに驚いている。
しかし、中身がよかったといっても、
それを言葉で説明することは、あまり意味がないように思う。
自分が感じたものを、言葉で伝えられる自信はまったくない。
あの暗闇と静寂の中に身を置いた瞬間、その驚きを語ろうとする言葉が。
目を覆う漆黒の圧迫感とともに、言語野に何かが覆い被さるような感覚が。
言葉の無力さを突きつけられ、私の心も、ただ沈黙した。
私の友人がこの作品について、
視覚がすべてではないことを気づかされる。
それとともに、習慣や概念を信じすぎている自分に気づかされる と言っていた。
視覚、言語が頼りないとするならば。
たとえば、このネットの世界はいったい何であろうか。
事実、私は直島から帰ってきて、少しの間だが、ログインできずにいた。